謎の「書きやすいボールペン」

 

雑貨屋で買った謎のボールペン。

 

使おうと思って手にとってみたけど、ノックが壊れてて、

ペン先を出すのに苦労しました。

 

何回もガチガチやってたら出る。

もう引っ込まなくなるけど。

諦めて、出しっぱで使った。

 

 

持った感覚は、ものすごく軽い。

持ってる、っていう感覚は希薄。

 

 

使ってみる。

 

 

書き味は、いわゆる「昔風の油性ボールペン」。

 

昭和を思い出させる、懐かしい書き味です。

 

そんなこともあってか、

裏には「わたしのペン」と日本語で書いてあり、

全体的に昭和レトロな雰囲気を醸し出している。

 

そのへんが気に入って買ったんだと思うけど。

 

ただこれ、なんの期待もしてなかったんだけど

先日書いたゼブラのフォルティアに近い書き心地で

それよりももう少し柔らかい、柔和な感じなんだよね。

 

フォルティアは本体がかなり重くて

これはものすごく軽い、という違いがあるので

もしかするとそのへんも影響してるかもだけど

 

それだけじゃない感じもする。

 

「お?」と思ったので調べてみたんですが

 

 

これ、ハイタイドから出てた雑貨ボールペン(286円)なんだけど

替芯の情報がなにもなかったので、苦労して検索してみた結果、

替芯がなんか白くて長いやつなんだけど

同じのを使ってるのはペンコというところのボールペンだった。

 

ペンコってなんだっけと思ったけど

 

 

1本のボールペンから始まったpenco(ペンコ)。普段づかいのカジュアルな文房具にこだわりのデザインや仕様の他、パッケージに至るまでペンコならではの工夫をプラスしました。懐かしくてアナログな感触や紙の匂いなど、ダウンタウンのブックストアで探し出したステーショナリーの感触が広がるかのようなラインナップです。

 

一本のボールペンから始まったというものらしく、

会社名というより、企画名なのかな、

ハイタイドで扱っているようでした。

 

その「一本のボールペン」ってどれ、と思ったけど

残念ながら読んでも分からなかった。

こういうところがなんというか・・

知りたいのに分からないモヤモヤ。

 

アメリカ製のボールペンらしい」ということだけは分かった。

 

 


商品一覧を見てみると、このボールペンが出てきました。

 

見た目からして、まあ、これなんだよね。

これがその「一本のボールペン」なのか?

 

ペン先もブレにくいのでしっかり筆記可能です。

 

そんなこと書いたらブレンと比較されそうだけど

もちろんスタビライザー構造とかではなさそうです、

だから別にブレにくい機構とかはなさそうなんだけど

 

書いてみると、フォルティアとかはカシャカシャいうけど

これは別にカシャカシャ言わないという

謎のブレなさは感じました。

 

流線形のフォルムはしっかりフィット感があり、書き心地もよく、定番ならではの安心感があります。

 

これは、まさにそう。

流線型のフォルムは、握り心地がいい。

今まで考慮したことがなかったけど

これからはもう流線型しか使いたくないと思うくらい

この流線型のフォルムは自分的にフィット感がある。

 

だから高級ボールペンって

わりと流線型なんだなと思った。

 

こんなことだけで、こんなに握りやすいとは・・・

(手の大きさなどにもよるので個人差はあると思うけど)

 

それに、先端部分のほうに

余計な段差とかがないんで、そこも使いやすいと思った。

段差があると、どうしても指がつかえたりして痛いので。

 

まあ、安いので

下手に万年筆の真似してキャップ式、とかにしてないから

余分な段差もないということなんですね。

ノック部分は壊れてますけども・・・

 

でも、安いのに

結合部にかませてある金属リングとか、

そこはかとなく高級感もあるというか

 

「高級感」っていうほどじゃないけど

値段のわりには安く見えないというか

 

「280円です」と人に言ったら

「700円くらいかと思った」って言ってもらえそうな感じはする

 

この驚くほどの軽さがなくて、もう少し重かったら

2000円クラスに見えるかもしれないという可能性すらあるよね

 

そのへんでよく売られてるボールペンって

「持ちやすくするため」に

握るところがゴムだったり、なんかデコボコしてたり、

カラーも無節操に何色も使ってあったり

事務用品なのにスポーツ感出してみたり

 

いろんなことしてるから

 

そういう「無節操感」が安く見える一因でもあるけど

(これはジェットストリームの軸を私が使わない原因でもある)

 

この「わたしのペン」は

そういう余分なものが一切ないといっていいくらい

シンプルに作られていて

流線型のラインなんかもきれいで

そのへんで安く見えない気がする、

 

安いのに、安く見えないという謎の仕上がりになっている

 

まあこれは、完全に設計した人の美的感覚というか、

センスだよね、

センスがいい、

 

これをアメリカ人が作ったとは信じられん

 

と思ったんですけど

 

Amazonでペンコのボールペンを検索してみたら

ビックっていうところのボールペンばっかり出てくる

 

どうも、ペンコはビックらしい?(よく分からんけど)

 

で、ビックのボールペンをさらに見てみた結果、

この、ハイタイドが出してる「わたしのペン」は

ビックの「クリックゴールド」というボールペンであると判明しました。

 

 

替芯を探すためにこれだけ苦労する(替芯の型番を書いといてほしい...)

 

 


 

フランスで誕生したらしい

 

そうだよね、これアメリカのデザインじゃないと思ったんだよ

 

 

ということで、やっと素性が分かった謎のボールペンなんですが、

 

 

なぜわざわざ替芯を探したかというと(ノックが壊れてるのに)

 

 

なんだかわからないけどこれ、すごい書きやすいんですよ、

ゼブラのフォルティアに近い感じの、昔風の油性の書き味で、

今、自分が好きな書き味の、「書いてる感じがある」もので、

フォルティアは細くて重くて、長時間握るのはつらいけど

これは流線型で軽いので、ずっと持ってても疲れにくい、

(※書くのは筆圧がいるので、ジェットストリームよりは疲れます)

 

ボールペンには重さは必要だと

私も長いこと思いこんでいたので

ピュアモルトとか使ってたわけですけど

 

これを使ってみると

ボールペンに重さっていらんのだな、と思った

 

ただ、高級感という意味では

やはり、ある程度重いほうが

持ってる感じがあって、高級感を味わえるんだと思うけど

それが10gこえてくると

自分としては扱いづらい、ということが分かった

 

フォルティア500が13gで、すでにズッシリ感あるからね、

 

ちなみにこのボールペンは8gらしいです

 

 

ゼブラ4Cが気に入って

それが入る軽めの本体探してたけど

ゼブラ4Cが他の4Cとは直径が合わないために

なかなか合うものが見つからないということで

 

それなら、「このクリックゴールドでもいっか」ってなった

 

なにより、字がきれいに書ける

フォルティアもきれいだけど

フォルティアのほうが若干、カッチリ感がある

 

フォーマル感、カッチリ感

 

漢字も、きっちりかっちり書けるので、

なんとなく丁寧な字を書きたくなるペンというか、丁寧に書いてしまう

しっかり止まるというかね、エッジがきいてます

(発色もクリックゴールドより濃い)

 

クリックゴールドは

もう少し流れる感じで書けるかな、

筆記体に向いてそう

走り書きみたいな

 

この違いはなんだろうと思ったけど

どうもクリックゴールドの芯は

先端がけっこう丸いみたいで

そのせいかもしれないと思う

 

 

(ただ、自分の芯は0.7で、これがちょうどいいんだけど

今はリニューアルして0.5のみになったようで、そこが未知数

0.5だと、カリカリした書き味になってしまいそうな気がする)

 

 

ジェットストリームってほんと、書きやすいインクではあるんだけど

ジェットストリームできれいな字を書くのって難しいんですよ、

よく人がいうところの「走り過ぎる」ということなのかと思うけど

走りすぎて、トメとかハライとかが流れすぎてしまう。

ハの字型に、左右にさばいたような字形になるんです。

(まあなんというか、筆ペンに近いくらいの感覚)

 

ゲルインクも、トメやハライがちゃんと書けなくて

なんかブツ切りしたような字になってしまうけど

あれと似たような欠点がある気がする

 

だから細字万年筆を一時期使ってたのかなと

今となっては思うけども

 

フォルティアとか、このクリックゴールドみたいな

昔ながらの油性のボールペンは走り過ぎないので

そのぶん、トメやハライがちゃんとできる、

言ってみれば「日ペンの美子ちゃん」みたいな字が書けるわけです、

 

日ペンの美子ちゃん、懐かしいよね、昭和ネタだよね、

 

 


 

思えばあの頃の少女漫画の主人公は

みんな目がキラキラしてた

 

ベルサイユの薔薇ばりに

 

キラキラしてたけど

 

 

今の漫画って、目が死んでる女の子キャラが多いなと思う

 

 

ねずことかもそうだけど

曇りガラスみたいな目で

 

 

ジャンプの漫画も、昔は「努力・友情・勝利」だったけど

今はなんか、半分グロいようなやつとかが

主流を占めるようになっている気がする

 

ワンピースの主人公だって

昔の熱血漢主人公たちに比べたら

目が死んでるというか、虚ろだし(点だし)

 

 

なんかそういうのも

 

 

時代を反映してるんだなってなんとなく思うよね

 

 

昭和レトロブームというのも

そういう今の時代の

曇りガラスを通して見るような世界、

どこか虚ろな、お金お金の世界に対する

ひとつのアンチテーゼなのかもしれない。

 

 

自分がいま、昔なつかしの油性ボールペンに

ノスタルジーを感じてしまうのも

それと同じようなことなのかもね。